今日はカルタンとデパートに来ている、考えてみればカルタンの服は俺の昔の忌々しい古着だけ。
それじゃあカルタンが可愛そう、と言う俺の良心が自然とデパートまで足を運ばせた。
まぁ別にカジュアルショップでも良かったのだが生憎そこまで俺の暮らしはリッチでもない。
目指すは安売りの品、所謂バーゲン品というわけだ。
「パパーこれ!」
カルタンは物珍しそうに色々な品を眺めている、思えば海に行ったとき以来カルタンと一緒に出かけるのは初めてだ。
俺は色々な思いを頭の中で巡らせているとデパートの壁にぶち当たった!
「いだっ!?」
俺は恥ずかしくなり当たりに人が居ないかどうかキョロキョロと見まわす。
よかった・・・誰もいない。安堵のため息がほぅっとこぼれる、が誰もいない・・・
「カルタン!」
俺はカルタンの事を思いだしすぐに探し始めた、しかしカルタンは見当たらない!
どうしよう・・・今ごろアイツ泣いてるんじゃ・・・・・・・
俺は嫌な不安を募らせ必死でカルタンを探す。
その時だった。
アナウンスの前のあの独特の音がした。
「パパ様、カルタンちゃんのパパ様、迷子センターまでお越しください」
俺は急いで迷子センターまで駆けて行った。

「びぇぇぇぇぇ!!」
予想どうりカルタンは大泣き状態、それをあやす迷子センターのお姉さん。
「カルタン!」
俺はカルタンの名前を呼んだ。
「パパー!」
カルタンは凄い勢いで走ってきた。バフっという音と共に足元に抱きつくカルタン
俺はカルタンの頭を優しく撫でると「ごめんね、ごめんねカルタン」と謝る。
「パパぁ・・・淋しかったよぅ!」
カルタンは小さな手を握り締めポコポコと俺の太ももを叩いた。
そこでお姉さんが「よかったねカルタンちゃん、パパが見つかって」
「うん!」
カルタンは満面の笑みで答えた。
「あとね、パパ、もう一人迷子の人がいるの」
カルタンは俺の方を向いて愛くるしい顔で言って来る。
「えっ?」っと俺は辺りを見まわす・・・!
見ると一人リーゼント頭で色白顔、学ランで長身の男がぼんやり立っていた。
まさかなぁー。っと思いつつカルタンに尋ねてみる。
「あの人?」
少し額に汗を浮かべ半信半疑にカルタンに尋ねると。
「うん、そうだよ」
カルタンは何でも無い事の様に俺に返答を返した。
うそだろぉーっと思っていると物凄い速さで一人の少年?が走ってきた。
「アニキ!もうっ!何処に行ってたのさ!?」
少年は長身の男に近寄り叱咤する。
「お、おぅ!悪い悪い喫煙コーナーに寄ってたら見失っちゃって」
長身の男はたじろぎながら必死に弁解する。
「あのさー何もここに来てまでタバコ吸う事無いでしょ!?」
少年はやれやれと言う感じで髪をかきあげた。
その後も言葉を失うような少年?の罵声が長身の男を攻め立てる。
そしてお姉さんが一言。
「あ・・・スコタンさんが見つかって良かったねアンタンさん」
頬に大きな汗を浮かべて言った。
「お、おう!」
アンタンと呼ばれた男は少し恥ずかしそうに言った。
「本当にご迷惑おかけして済みません」
スコタンと呼ばれた(口調からして)少女は丁寧に言うとアンタンを連れて外に出ていった。
暫く呆気に取られていたがすぐに気を取り戻し俺も一言
「俺も、ご迷惑おかけしました、本当にありがとうございます」
とお姉さんに感謝の言葉を言う、お姉さんも「いえいえ、今度は気をつけて下さいね」と言いにこやかに微笑んだ。

随分とエキサイティングな一日を過ごしたが、何とか服を買って、家に戻ってきた。
買った服は水玉模様のワンピース、無地のトレーナーと青い生地のジーンズ、スカート。
カルタンは嬉しそうにその服に着替えた。
しかし未だに服を着る事が苦手なのか、時折「手伝ってぇー」と言う。
俺は良からぬ考えを打ち消して服を着る手伝いをした。
今夜はカルタンのファッションショーだ。
季節はゆっくりとした足取りで移り変わってゆく、俺は神がいるならこう願うだろう。
(どうかこの時が永遠でありますように・・・と)
儚い願いと知りながら・・・。
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